2011年06月06日

美しく悲しい恋のお話 真珠院 

伊豆韮山仏像巡り

韮山駅から徒歩20分の場所に、
曹洞宗 真珠院があります。




真珠院は、鎌倉時代に真言宗の寺として開創され、室町時代に曹洞宗に改宗されたとのことです。近隣の寺を末寺として取り込み壮大な寺院に発展しました。

本尊は釈迦無尼仏、脇立として、阿難尊者、迦葉尊者の二仏が安置されています。
左右に永平寺御開山高祖 道元禅師、総持寺御開山大祖 ケイ山禅師を祀ってあり、
達磨大師、十六羅漢像が安置されているそうです。
残念ながら、拝見することができませんでしたが、とても立派な本堂です。



ところで、真珠院というお名前
清楚で素敵なお名前ですよねface06

こちらのお寺には、この名前のような、美しく悲しい恋のお話があります。

【伊東八重姫入水の地】
伊豆に流されていた頼朝は、八重姫との間に一子「千鶴丸」をもうけます。
八重姫の父伊東祐親の怒りにあい、千鶴丸は源平相剋のいけにえにされます。
頼朝は、北条時政のもとに逃れます。
頼朝を忘れられない八重姫は、意を決して、頼朝に会うため伊東の館を抜け出し、亀石峠の難路を通り、北条時政の館を訪ねるのだが、頼朝は、時政の娘政子と結ばれていた。
八重姫は、幽閉の身であったため帰る場所がなく、真珠ヶ淵の渦巻く流れの中に身を投げました。

真珠院には、八重姫御堂(静堂)、梯子供養(八重姫が入水した際、せめて梯子があれば助かったかもしれないという気持ちが、願い事が叶った際、梯子を供える習慣)、願かけ石(自分の歳だけ石をたたくと願い事が叶う)など、このお話にまつわる信仰が残されています。


このような、信仰が生まれるということ。
昔の人の気持ちや純粋さを感じ、清々しい
思いです。

鎌倉時代、戦に赴く男性はもちろん、女性も激しい時代だったはずです。
強く生きること、潔く生きること。
今では想像できないくらい壮絶だったのでしょうface06


そんなことを思って、静かな真珠院をあとにしました。

真珠院境内には1302(正安4)年銘の定仙大和尚塔、
1335(建武2)年銘の宝篋院塔と五輪塔、
1363(貞治2)年銘の阿弥陀如来磨崖仏が残されています。

北条氏ゆかりの史跡をまわり、鎌倉時代の風を感じながら、訪れていただきたい素敵なお寺です。


幾度か流れを変えた狩野川。自然に囲まれた美しい川です。

真珠院 伊豆の国市中条2












  


Posted by niconicori at 18:06Comments(6)お寺巡り 静岡県東部