2011年06月10日

美しい阿弥陀如来像 成福寺

伊豆箱根鉄道韮山駅より歩いて10分ほどのところに

浄土真宗 大谷派 成福寺があります。

本山 京都東本願寺派に属します。

鎌倉時代八第執権北条時宗の三男の北条正宗入道が、1289年に建立したと言われています。

北条正宗は、韮山の地で曽祖父北条時政の持仏堂を元に成福寺を建立しました。
以来、北条氏の血脈保ち現在に至っているそうです。



本堂です。face01平成元年に建てられたそうです。
江戸時代後期に建てられたそれまでの本堂は改造され客殿となっているそうです。

立派なお堂だなあと見ていると、中にいらっしゃた女性の方が「どうぞ上がってください。」とやさしくお声かけくださり、本堂に上がらせていただきました。

ご住職様が本堂にいらっしゃり、阿弥陀如来様のお話、お寺のお話を丁寧にお聞かせくださいました。

ご住職様と女性の方のやさしさが今でも印象に残っていますface06
親切にしていただきありがとうございましたface01


本尊 阿弥陀如来 木造寄木漆箔 鎌倉時代造






バランスよくとても綺麗な阿弥陀如来様です。
お顔はやさしいけれど、肉づきのよい体格です。

浄土真宗の立像の阿弥陀如来様face06歩み寄ってくださっているような、すぐに救いに来てくださるように立っていらっしゃるのだなと感じます。

住職様に、他にはどちらのお寺に行かれましたかと聞かれ、
願成就院のお話をすると、毘沙門天が素晴らしいというお話になりましたface01

よくよく考えてみると、ご住職様は、北条氏の血脈。
すごいことですicon12




帰る際、ご住職が書かれている成福寺の寺報をいただきました。

素敵な阿弥陀如来三尊像の法話が掲載されていました。

(阿弥陀三尊像とは、極楽浄土に連れて行ってくださる阿弥陀如来様と、右側に慈悲の観音菩薩、
左側に智恵の勢至菩薩という三つの仏様が並びます。)



東日本大震災の際沢山流れた、ACジャパンのCMと、阿弥陀三尊像を結びつけて法話をされています。




金子みすずの「こだまでしょうか」は、慈悲の観音菩薩様の「同悲」「同苦」を表している。
悲しむ人と同じ悲しみを私たちに感じさせ、同じ苦しみを抱いてその人に寄り添うことで救おうとすること。
震災で被害にあった方のことを思うとき、その境遇ではない私たちが胸を痛めること。
これは観音菩薩の慈悲の心が自分に同化した時に感じる心なのだと書かれています。





宮沢章二の「心は見えないけれど」は勢至菩薩の働きである。心で寄り添うだけで終わらず、迷いと争い苦しみから智恵をもって救い正しい行いをさせるのが勢至菩薩様。被災地の方に自分のことのように悲しみを感じて何かせずに入れない気持ち。ボランティアや義捐金という行為を起こすことそれは
勢至菩薩の力が私たちを動かしたのだと言います。





そして阿弥陀如来様は、どんな人も見捨てない仏様なのです。絶望したとしても、くじけたとしても絶対に、「私を呼びなさい私はあなたを必ず救う」と導いてくれる仏様だと書かれています。



人の中にも、自分自身にも 仏は存在するのですね。face01

人と接するとき、相手の人の仏探しをするようにしてみようface06今よりもっと素敵になるのだなと感じました。

韮山の仏像めぐりの旅は成福寺で終了です。楽しくうれしい旅となりました。


成福寺  静岡県伊豆の国市四日町981












  


Posted by niconicori at 21:45Comments(2)お寺巡り 静岡県東部