2011年08月26日

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

とても素敵な企画展と講演会に行って来ました。face01

「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

磐田市は、古代の寺院遺跡が数多くあります。

国分寺、国分尼寺、寺谷廃寺、大宝院廃寺、鎌田・鍬影遺跡、岩室廃寺と6箇所。

静岡県内で30箇所の寺院遺跡が知らされており、5分の1が磐田の地にあるということは、
この地方が、古代から遠州地方の中心地として栄えてきたということがわかりますface06

古代の寺の遺跡とは!かなりミステリアスicon12

企画展では、遠江国分寺の建立と発展についてのテーマや、岩室寺における仏教の発展など
興味深い展示がされていました。

静岡県の、遠江国分寺は、磐田市に置かれ、金堂、講堂、塔などの跡が発見されています。
(場所は、JR磐田駅から徒歩15分ほどの場所にあります。)

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

塔は、七重の塔だったと言われています。法隆寺は五重の塔というのを考えると
大きな規模での建築だったのか、想像力ふくらみます。face01

平成20年に、塔の跡から出土した仏像の頭部です。
塔の塑像、塔本塑像と考えられています。(全高は7.9cm)
※塑は粘土という意味。土でつくった彫像の総称

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

法隆寺の五重塔の塑像を根拠とし、出土した仏像頭部から、どのような
位置づけの仏像であったのかというお話を2時間の講座にて、非常に興味深く伺うことができました。icon12

ところで、こちらの講座、定員150名のところ、150名以上の参加希望があったそうですicon12こんなにも隠れ仏男、仏女が居たとは驚きです!!!

出土した仏像の頭部は、俗人か、天部の仏像ではないか?ということでした。


この小さな仏像の頭部から、様々な想像がふくらみます。face01
目の部分や、全体的な雰囲気から、私には、微笑んでいるように思えます。何か語りかけているような!気がしますよね。


岩室廃寺の仏像

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

向って、右が菩薩立像、真ん中が、大日如来、左が菩薩像

岩室寺は、発掘調査の結果、奈良時代に建てられた寺ということがわかっているそうです。
平安時代以降、遠州地方の中心地に近い修行の場として、山岳信仰と結びつき発展していったと考えられています。歴史書「吾妻鏡」にも登場する、遠州地方の代表的な寺院だったといわれています。

大日如来がいらっしゃるのは、平安時代以降真言宗のお寺として発展していったのではないかと言われています。頭頂部の全高が、1メートル以上もあり、丈六大日如来の頭部の残欠ではないかということです。

かなり大きいです。

※釈迦の身長が1丈6尺(約4.85メートル)あったというところからその高さの仏像。

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」
やさしい微笑みだなあ~face13ほよ~ん

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

山岳信仰のお寺に丈六の大日如来様がいらっしゃるということからも、岩室寺ただもんじゃない!格式のあるお寺だったのでしょう。

企画展「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~」

磐田市もまた、歴史のある素敵な場所ですね。
廃寺の跡にも足を運んでみようと思います。


磐田市文化財課企画展
「古代の寺 ~遠江国分寺から岩室へ~ 」
http://www.city.iwata.shizuoka.jp/news/2011/08/post-157.php
2011.8/28(日)まで開催

企画展 記念講演会
「磐田の古代の仏像 ~遠江国分寺の塔本塑像を中心として~」
2011.821(日)講師 東京芸術大学准教授の松田誠一郎氏









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Posted by niconicori at 13:01│Comments(8)展覧会
この記事へのコメント
はじめまして、niconicoriさん。とおりすがりの森人と申します。
いつもブログの更新を楽しみにしています。

先日の講演会にいらっしゃってたんですね。会場に15分くらい前に着けば十分だろうと思って行ったら、ものすごい人でビックリしました。空席を探しに前列まで行ったときに「若い女性も居るんだな…」と思ったのですが、もしかするとその女性がniconicoriさんだだったのかもしれませんね。

ボクは遠州地方を中心に社寺仏閣を巡り、神様仏様を拝み御朱印を頂いています。
今回のテーマのひとつ、岩室寺はボクの自宅から近く、何度か遊びに行ったことが有ります。織田信長の焼き討ちにあったとか、比叡山から来襲した僧兵に焼き討ちにあったとか…よくわかりません。
とにかく弘法大師開山の大寺院だったようですね。

ボクの住む森町にも木喰上人作の子安地蔵尊のある蓮華寺、東海一の鋳造大仏のある遍照寺、1838年築造の仁王門のある大日山金剛院など、貴重な仏像のある寺院があります。ぜひ一度、いらしてください。
Posted by とおりすがりの森人 at 2011年08月27日 21:35
とおりすがりの森人さんありがとうございます♪

ブログを御覧いただき本当にありがとうございます。

先日の講演会とても興味深い内容でしたね。いらっしゃったのですね。お逢いしたかったです♪比較的前の席の一番右におりました。
とても沢山の方がいらっしゃっていましたね。

遠州地方の社寺仏閣をまわられているのですね。素敵です。
遠州は本当に素敵なお寺さんが沢山ありますね。

森町素晴らしいですね、一度伺いたいと思います♪

素敵な情報ありがとうございます♪これからも情報交換させていただけるとありがたいです!今後ともよろしくお願いします♪
Posted by niconicoriniconicori at 2011年08月29日 09:35
遠州にこのような立派なお寺があったのですね。

国分寺など貴族の後ろ盾がなくなって各地でほとんど廃寺になっていますね。

自宅のそばに駅名にもなっている国分寺がありますが、規模はかなり縮小されています。

年に1日御開帳がありまして10月10日です。

薬師如来様が御開帳です。

休日なのでお時間がございましたら是非いらして下さい。

立派な丈六の坐像です。
Posted by もぐじ at 2011年08月31日 07:45
もぐじさんありがとうございます♪

そうなのです。遠州には廃寺が多いですね。
岩室廃寺などは、とても大規模のお寺であったことがうかがえますが、資料がほとんど残っておらずミステリアスです。

10月10日のご開帳ですか?非常に興味深いです。
丈六の薬師如来様。想像するだけで素敵です。
Posted by niconicori at 2011年08月31日 11:55
こちらこそ、よろしくお願いします。

室町末期からある遠江三十三観音や遠州三十三観音、遠江四十九薬師など、霊場巡りをしています。でもお寺がお留守だったり、秘仏だったりと、仏さまのお顔を拝むことが出来ないことも多くあります。

京都や奈良、鎌倉などのお寺も廻りたいのですが、なかなか機会がありません。
久しぶりに奈良の大仏さんに逢いに行きたい、今日この頃です。
Posted by とおりすがりの森人 at 2011年08月31日 22:11
はじめまして
実はちょくちょく覗き見してましたw
気になる記事が満載ですごく充実したブログですね。

特に今回の
>磐田市は、古代の寺院遺跡が数多くあります。
>国分寺、国分尼寺、寺谷廃寺、大宝院廃寺、鎌田・鍬影遺跡、
>岩室廃寺と6箇所。
>静岡県内で30箇所の寺院遺跡が知らされており、5分の1が磐田の
>地にあるということは、
>この地方が、古代から遠州地方の中心地として栄えてきたという
>ことがわかります。

古代、磐田の繁栄を想像するとちょっとワクワクしますよねw
また、寄らさせていただきます。
Posted by bonbonno at 2011年09月03日 17:13
とおりすがりの森人さん

ありがとうございます。遠州には数多くのお寺や、仏像が沢山いらっしゃいますね。遠江三十三観音や遠州三十三観音、遠江四十九薬師素晴らしいですね。いつかめぐってみたいと思います。

私は、中部中心にお寺めぐりをしております。同じく、ご開帳情報などもなかなか調べるのが難しかったり、仏様にお参りできることもご縁のひとつなのかもしれないですね。

しかしながら、県内で仏像めぐりをされている方にお声かけいただき、コメントいただけて本当にうれしいです。素敵なご縁だと思います。ブログなどをされていらっしゃったら、差し支えなければお教えいただきたいなあ思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by niconicoriniconicori at 2011年09月05日 10:21
bonbonno さんありがとうございます。

御覧いただいてくださっていたのですね。うれしいです。ありがとうございます♪

静岡県に住んでいるのにもかかわらず、沢山のお寺や神社、信仰などがあり驚いています。

磐田の繁栄想像していまいますよね。これからもちょくちょくめぐってみたいなあと思います。
Posted by niconicoriniconicori at 2011年09月05日 10:35
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